ヤマハ 4stジョグ&ビーノ 腰上整備マニュアル③考察その1

 初心者でも少しモヤモヤ出来る部品考察 

前回の作業ではヘッドとシリンダーを外しそれなりに現状を目で見る事が出来たと思います

 

目視や触った感覚などを頼りに開けたエンジンの各部をイメージして

この先の整備をどうしようか?とワクワクさせるヒントを見つけてみよう!

インターネットで答えを見つける行為は考える力がどんどん失ってしまいます(笑)

YouTubeなんかもそうで同じような動画がいっぱいあって・・・

発信する側すら何かを考えて発信する人間も少ないのがインターネット

自分ながらの考え方を見つけない限りアドバンテージは作れない

今回は前回バラした部品を基にヒントになる曖昧なお話をします♪

 

汚いこのエンジンを見て想像しよう!

オイルが汚れるとどれくらい潤滑が落ちるのだろう?

もしかして各所が摩耗してしまったガタガタなんじゃいのかな?

ハイ!まず1つの考え方が生まれました【摩耗】

 

 摩耗について考えよう! 

摩耗するという事は簡単に言えば・・・

擦れて減っているという事

 

なぜ?擦れる???

オイルが潤滑しなくなったり油膜が保てなくなり擦れ合ったり

元々アタリがキツくて使っていく間に擦り減っていった

想定外の条件で動作させた為に摩耗してしまった

などなど

摩耗する理由は様々あります

 

じゃあ新品に交換しましょう!⇒それはバイク屋さんの整備作業です

私たちがやろうとしているのはレース用の整備です

今回のお話は摩擦も含めて消耗を楽しむレース整備の話です

 

 摩耗するとクリアランスが広がる 

簡単に言えばパイプに棒を刺した場合にクリアランス(隙間)が狭ければ

回そうとすると擦れてしまう⇒これはクリアランスがキツいという事

じゃあユルユルにしたら今度はシャフトが傾いて中で擦れ合う場合もある

キツい方向のまま使用を続けていくと当たる部分が擦れ合い減ってきて段々と緩い方向になる

よくアタリが出たなんて言う人が居ますが、この場合は正確に言えばアタリが取れたになりますね

クリアランスとガタの関係性が理解出来ましたか?

緩く必要以上にガタが無いという条件を作るのも1つの方法

そうするとフリクション(抵抗)の少ないストレスの無い動作を可能になります

全て新品にして時間を使い摩耗させるのも間違えでは無いけれども

全てが同じ摩耗時間で良いモノになるわけでも無いのです

各所で使用時間に差が生まれて場所によっては新品が良い場合もある

それを考えて組み合わせる事がエンジン作りの1つの考え方

 

 ガタという緩みで起き得るもう一つ先の話 

ガタや緩みを一部分で考えた場合には先ほどの理由で良いのですが

エンジンは様々な部品で組み合わされているモノです

何かと何かが繋がるという伝達の概念

分かり易く言うと自転車のチェーンを例にしてお話をすると・・・

チェーンを緩く張ると弛みがあるので張ってからタイヤが回ると思います

この緩みが伝達する力の一部分をロスしてしまっています

逆に目一杯張ると2つのギアを締めてしまい回すのが重くなります

余計な負荷が掛からず出来るだけ目一杯チカラを伝える

噛み合う者同士の遊びという要素が理解出来たでしょうか?

これとこれとの間は多少は緩い方がいい塩梅になるみたいな関係性のイメージ

 

 実際に手で動かしてみて確かめてみる  

クルクルでも横にスライドでも自分の手で動かしてみて体感する

これだけ軽く動いたらエンジンが軽く回るのではないか?という妄想がしませんか?(笑)

何か良いケミカル(潤滑油など)を塗ったらスルスルと・・・

しかし潤滑してもダメなら少し使い込んで痩せた中古ならスルスルになるかもしれない

どんどん変態さんになっていく事でしょう♪

そして軽いけどこのガタガタが気になるな~とか

このガタガタは中古より新品の方で交換した方が良いな?とか

この足し算引き算のバランス感を楽しむんです変態さんは(笑)

 

 イメージを膨らませてみよう! 

これはカムチェーンガイドとう部分でカムチェーンが暴れない様に付いているのでが

それなりに距離を走っているエンジン(2万キロ程度から)この様に削れています

この削れ1つからイメージから妄想しよう!

多少は擦れ合う部分なのでここの凹みにチェーンが当たったらロスになるよな~とか

削れた原因はチェーンが伸びてきていてそれが原因で強く当たるようになったのかもしれない

チェーンが伸びたらバルブの動くタイミングが変わってしまうよな?とか

これをチェーンだけ交換してガイドは交換しなければ干渉が減るかもしれない?

いや?!新品にしても結局は擦れているモノだから新品の平らなモノの方が良く滑って良いかもしれない

 

どうでしょうか?この部品1つでこんなにイメージ膨らみます(笑)

 

この擦り減って吹き抜けてしまったピストン

もともとアタリがキツイのか?それとも熱膨張してしまったのか?

これだけ減っているとシリンダーも痩せているのか?

でも減りまくりのピストンとシリンダーに新品リングを組んだら

抵抗も少なくスゲー軽い吹け上りをするかもしれない?!

いややっぱり駄目なものはダメかもしれない(笑)

 

常識に捕らわれず直感的な閃きを大切にして

自分だけの奥の手を見つけてみてください!

 

 

 

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