ヤマハ4stジョグ&ビーノ 腰上整備マニュアル④ヘッド分解

今回は前回バラした腰上の一番上の部分であるヘッドを分解します

4サイクルのヘッドという部分は2サイクルでいえばシリンダーにあるポートという部分になり

中に入っているカムの山のカタチでバルブを動かしています

4サイクルエンジンの特性が決まる部分で大きな性能の差が出る部分でもあります

とりあえず今回は分解のみで話を進めていきます

横の丸い開口部に見えるベアリングが付いている部品がカムです

これは挿してあるだけなので手で引っ張り出します

取れました♪

 

マグネットのピックアップツールです

準備編で100円均一で買えるものです

赤丸で印した部分にマグネットを当てるとポロっと取れます

これがタペットクリアランスを調整する為のシムです

3ヵ所あるので全て外しますがサイズ(厚み)が場所ごとに違うので注意です

何かに並べて忘れない様に右とか左とか分かるように書いたりして保管して

ばらけない様にテープででも貼っておいた方が安心です♪

今度はロッカーアームのピンを抜きます

こんな感じで手で抜けますが・・・

可動部のシャフトなので減っていたりオイルが焼けて貼りついていたりして

抜きづらい場合も多いです

無理にバイスプライヤーやペンチで掴んで抜く人も居ますが・・・

シャフトを傷付けて抜くのはヘッド側の穴も傷をつけてしまいロクな事がありませんので

400番以上の紙やすりなどで軽く擦ってあげると簡単に抜けます

こうする事でシャフトにもヘッドにも極力ダメージを与えずに抜けます

このシャフトは程度が悪くなければ反対向きに組めば再利用出来ます

その場合の為にどちらを最初に組まれていたかペンで印をしておいても良いと思います

こんな感じでロッカーアームが外れます

ピンとワッシャーとロッカーアーム

これが排気と吸気で2組あります(形が違いますが)

ここまでは特殊工具も無くバラせます

4サイクルならでは工具の登場です【バルブスプリングコンプレッサー】

安物の場合はこれを少し加工して使います

小さいアダプターが1個しか入っていないのと

反対側を仮に買っても燃焼室が小さくて当たってしまいます

なので無しで工具を加工してバラします

先端がこんな感じで平なやつなのでジョグの小さなバルブには上手く当てられません

こんな感じで先端をサンダーなどで削って丸く丸めてください

そうするとバルブの凹み面に馴染みやすくなってシッカリと押せるようになります

燃焼室にダメージを与えたり工具が当たったまま押して斜めになったりしません

バルブコンプレッサーの使い方に慣れていない方はヘッドの古いガスケットテープで固定しておけば

もしも工具を滑らせてしまってもヘッドにダメージが少なく安心です♪

丸くした方はこっちに当てて

 

このカゴみたいなやつをバネの方に乗せて工具をクルクル回して締めこむと

バルブスプリングが潰れていきます

この中にコッターというコップを半部に割ったみたいな部品が留め金代わりで入っているので取り出します

さかさまにして振っても良いですし マグネットツールを当てても取れます

小さな部品なので無くさない様に注意です

こんな仕組みで固定されているのが理解できますかね???

これを3本取りますが・・・

タペットシムと同じように最初に付いていた場所を忘れない様にしておいてください

バルブとバネが外れるとその通ってた茶色い穴の下にワッシャーが乗ってます

それが割れると噂のバルブスプリングシートです

バルブスプリングとバルブスプリングシート

このシートを初めて見ると・・・

なんだ?この薄さは(笑)って思います

ノーマルマフラーでも割れるかもしれないって他のエンジンを見たことがある人なら有り得ない薄さです(笑)

最後に残るのがこの茶色のステムシールなのですが・・・

一般的なセオリーでは要交換部品ですが

この非力な4st50ccでは新品にすることで抵抗になってしまうので

余程も漏れが無い限り交換は出来るだけしたくない部品でもあります

カム周りなどはやたらに茶色く汚れいる場合は交換した方が良いと思います

今回のエンジンも汚いので交換する対象になります

という事でヘッドの分解が出来ました

次回はバルブの擦り合わせの整備に続きます♪

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