ヤマハ4stジョグ&ビーノ 腰上整備マニュアル⑤バルブ擦り合わせ

バルブの擦り合わせって言葉を聞くと思います

なんかスゲー精密で難しく聞こえてしまいますが理屈を知ればそうでもない作業です

頭の中に無い事は否定的になるのが日本人です(笑)

是非是非少数派の勝ち組になれる様にトライしてみてください♪

そして覚えたら仲間にも教えてあげてくださいね

特殊工具も仲間で使い回せると理想ですからね!

  バルブ擦り合わせって何をするの? 

 

バルブが閉じたり開いたりするのですが、それの気密性を高めるの本来の目的です

ピストンが上下している時に圧縮空気が漏れたらトルクも落ちますし・・・

それを漏れなくする為にバルブとバルブのあたり面(バルブシート)を研磨剤を塗って擦り合わせて面を整える作業です

 しかし擦り合わせは必ずやるべき事でもない 

漏れていないのなら擦る必要はない

擦り合わせる事で削る作業で起き得る事を予想出来ますか?

バルブとシートが減る事で閉じた状態でバルブが奥になるのです

つまり燃焼室の大きさが多い方に変化してしまいます

燃焼室が大きくなるという事は圧縮が落ちる方向になるってことです

他にタペットシムの厚みにも影響が起き閉め気味方向に変化します(シム調整をするのであれば関係はありません)

といってもそんなに削れませんけどね(笑)

なので実はやらないで良いならやらない方が良い作業です

漠然と理由なしに擦り合わせをするのは大間違いであると認識してください

インターネット上での動画や記事で擦り合わせの判断を記してる記事が無いので書いてみました(笑)

 擦り合わせをする前にする必要性があるのか確認しよう! 

キャブクリーナーやエンジンコンディショナーを駆使してひたすら掃除してください!

ジョグ&ビーノは水冷エンジンなので燃焼温度も低いので1時間も浸しておけば結構綺麗になります

バルブを外してポート(穴の中まで)も綺麗にします

この時に準備編で紹介した子供用の歯ブラシが活躍します

頑張って根気よくこんな感じで綺麗にしてください♪

1話から見てる方は点火プラグは外していないで作業していると思います

途中から見た人はプラグは付けたままでお願いします

薬品に漬けて気持ちが悪いとは思いますので完成時は新品に変えるか作業中は要らないプラグで代用してください

バルブを解体する前と同じ位置に戻して組み込みます(ただ挿すだけです)

次は漏れているかのチェックをしましょう

ヘッドをなるべく平らな場所において(そんなに神経質にならなくて良いです)

燃焼室にガソリンを注いでみてください

帳面張力が働くくらいにたっぷり大盛りで注いでおきます

この状態で30分くらい放置してください

30分後に変化が無ければバルブは気密性を保たれていますが

念のためにバルブを軽く回して違う面でも同様に試しておいてください

ここで漏れていないのなら擦り合わせの作業は基本的に不要です

ですが念のために次の擦り合わせ作業で軽く馴染ませる作業をすると安心です♪

この擦り合わせ作業はヘッド分解する度に行う作業ではありませんという意味が理解出るかと思います

漏れてなきゃやる必要は無いです

 

 擦り合わせをしてみよう! 

一般的に擦り合わせをする時はこのゴムの吸盤が付いたタコ棒で行うのですが・・・

一番小さい吸盤よりもジョグのバルブの方が小さくイマイチくっ付きません

これが面倒で反対側からバルブのシャフトをドリルチャックで加えて一気に回して仕上げる荒業もありますが

実際にはそんなに擦る必要も無い事も多く・・・

走行距離が多い車体では当たり面が最初から広く擦り減っている場合もあります

当たり面が広いと接触面が多く、接触面が多いと同じチカラであれば面圧が落ちて閉じるチカラ落ちます

また当たり面が広くなるとカーボンも噛みやすくなる傾向もあり必要以上の擦り合わせはメリットがありません

当たり面が広い場合はシートカットといって当たり面を削って減らす加工が必要になります

漏れていなければ擦り合わせは殆どせずにシートカットのみでOKという場合もあって

漏れのテストを先行させる必要性が重要なのかが理解出来たでしょうか?

シートカットを行うには専用の工具を買うか内燃機屋さんに送る必要性があります

今回はシートカット作業はしない前提で進めていきます

擦り合わせをするバルブ以外のバルブにテープを巻いて取っ手を作ります

バルブの先端に両面テープを貼ってください

 

擦り合わせを行うバルブとくっつけるとこんな感じです♪

意外としっかり付くので作業が楽チンです♪

ドリルで裏から回すのとは違い手先の感度があり初心者でも作業感度が大幅に違います

タコ棒と違ってすぐに外れないのでストレスもありません♪

このバルブコンパウンドの細かい方をチョンチョンっとバルブのアタリ面に塗布します

バルブ挿してあげると面と面が合うとバルブコンパウンドの粒子の粗い感じが手元で感じられると思います

これをバルブで上から軽く上から回し潰す感じで粒子を軽く砕いてください

それからクルクルと擦り合う感じを感じながら45~90度くらいの往復の回転で火おこしするみたいに擦り合わせます

擦り合わせていくと粒子がどんどん細かくなってゴリゴリ感からシャリシャリとなってシューシューくらいまで変化するのが分かります

この作業を先ず1回行ってみてください

完了後にバルブを単体にしてみてヘッドに差し込み5~10mmくらい開けたところで

バルブを軽く素早く指で押し込むとキャパっとか音がするのですが

擦っていないバルブと聞き比べると音が違うと思います

とりあえず残り2つにのバルブも同様に擦り合わせてください

3本が擦り合わせ出来たら再び漏れのテストを行います

 

最初の漏れチェックで漏れていない場合は・・・

やらなくても良いですがおまじない程度に

バルブコンパウンドの代わりにピカールなどの細かい研磨剤で擦り合わせて馴染ませるのもアリですし

バルブコンパウンドを極力細かく砕いてから軽く擦って終わりにする感じで良いです

すいません同じ写真ですが(笑)

漏れのテストを行い漏れていなければ擦り合わせの作業は完了です

無駄にいっぱい擦ってもろくなことが無いので徐々にやってはチェックで良いと思います

何回やれば感覚は身に付くと思いますよ♪

 

今回はここまでです

思ったよりも難しい事ではなかったかな???

次回はヘッド周りを組み立てます

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