ヤマハ4stジョグ&ビーノ 腰上整備マニュアル⑥バルブスプリングシート編

 割れるバルブスプリングシートは割れる前にケアしよう 

なんですが・・・だいたいの人が割れてから交換してます

そしてまた割れた~を繰り返してます

割れてしまい不調になればライバルになる車両が減って正直ザマァって喜べば良いのでしょうけど(笑)

そんな事を言ったらこのクラスの存続が怪しくなり・・・

FP4-50はエンジン使い捨てだ~なんていう輩まで出てくる始末です

このクラス発展の為にも言いたくはありませんが書かなきゃいけない事だと思って書きます

割れ方にも種類があり原因は似ていても対処が多少変わります

 

考えられるケースはいろいろ

①走行距離が多い車両であればバルブスプリング自体の自由長(張力が落ちる)も影響していて

バルブスプリングが回転数に対して戻るタイミングが追いつかない場合でタイミングがズレて暴れたシートを叩いて割る可能性

②同じく走行距離が多くシート自体が何度も上下する事でヘッド側自体にめり込んでしまっているケース

その場合にヘッド側座面が傾ていたりしてバネ自体もそれに合わせて傾いている事も

③バネの張力はあるが僅かにやはり戻る速度が追いつかず(これは新品でも)僅かな隙間で回転しながら削れてくる

④交換をしたがヘッド側座面を痛めており隙間が多少存在していスグに割れてしまうケース

などなど10000回転台以上でどうしてもバネとシートとの位置関係に距離が起きる可能性が起きてしまう

 

どれも高回転常用させる前であれば状況にもよるが破損しづらい状況を作ることが可能である

このエンジンのヘッドのバラツキはハイトも含めてまぁまぁなバラつきがあり

燃焼室でも若干ですが圧縮の高いモノもありお宝を逃す残念な結末もありますので

言っても分からない人が多いですが(笑)

お利口な方は是非とも早目に整備をした方がよろしいと思います→何度も言いますけど

こんなガタガタの座面に何度新しいシートを乗せても何度も割れます

そしてプレスで打ち抜いて製造されている純正のスプリングシートはそうでなくても実は内側に向かって浮いてしまっている

あんなに薄くて硬いハガネのシートなんてこんな状態のまま組んでもスグに割れるのです

なので壊す前にケアしましょうって話です→しつこいですね(笑)

 

 バルブシートを擦り合わせるというケア  

割れていて交換する時に座面を見て残念な感じでこれを処理するのがまぁまぁ難しい

何も工具も入らないですし・・・

それでもこれを適当にホジホジしてシートを乗せるなんて普通の神経でしたら嫌ですよね?

ではこれを簡単にケアしようという方法です

バルブスプリングにバルブスプリングシートを瞬間接着剤で取り付ける

シートは中古で割れていないモノでも使ってください→基本的に新品交換前提です

バルブの擦り合わせで使っていたバルブコンパウンドを塗り

バルブと同じようにスリスリしてください

粗め方が良いと思います♪

何度か擦ったりしてはシート単品を乗せてを繰り返すと座りが良くなるのが分かると思います

 

 続いて攻撃的なバルブスプリングもケアしよう 

これが新品のスプリングの座面です

巻き始めの先端に注目してください

こちらがケアした巻き始めの先端部分

内側に対して鋭角な部分を除去してあります

そしてバネ座面の面と端部分をバリ取りしています

レギュレーション上で認められているボカシなどの範囲内として

作業はオイルストーンなどで最低限のケアで済ませる様にしています

シートに対しての接触する部分を優しくしています

 

そして組付け時にはバルブスプリングシートの両面に【ちょう度】の硬い番号のグリスを塗布して組みます

3号とか数字が大きいほど良いかと思います

3号は良く見かけるシャーシグリス位ですね~

 

高回転回したときに以前よりもちょっと音が変わるくらいになる場合もあります♪

同じスプリングの暴れ方でもちょっと違う様で叩いてる様な音がしなくなります

それでもスプリングシートは定期交換部品であることをお忘れなく!

是非是非FP4-50をやるなら大事なエンジンに愛情を注いで育ててあげましょう

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