駆動系をちょっとだけイメージし易くなる話②

前回の半ば強引にイメージを作る話が意外と反響もありまして・・・

サーキット走行をするスクーターの駆動系を強引にイメージし易くする話の第2弾です

前回は現在の駆動がハイかローなのか?という全体的な変速領域をイメージしてもらう話です

前回のお話はコチラ

要するに今の構成はミッション車で言うと・・・

6速ミッション車に例えるなら

2~3速で走っているのか? 3~4速で走っているのか?そんな感じの話です

実際にはそんなに大きな変速差でも無いんですが分かり易く

まぁザックリしてますがイメージでお願いします(笑)

 

 頭に入れて貰いたいスクーターの駆動系の特徴 

ライダーの操作に対して操作が同じなら駆動系は毎回同じような動きをします

この動きというのは変速領域の事でして・・・

構成とセットアップが間違えているとミッション車で言えばシフトポイントがズレている状況で走る事になります

軽過ぎるローラーで走った場合は3速にシフトアップすべきところ2速のままいつまでもシフトチェンジしないでいる状況みたいな動きになります

変速領域がライディングの枠内に収まっていれば、別のライダーでもその枠内のライディングなら同セットでも走れるのですが

その領域に居ないライダーは別の領域に変更した方が速く走れる可能性は高いという事

これは速い遅いという面もありますが根本的にライディングの違いにも言える事なので・・・

自分の必要な変速領域を発見する事が最短なのかと思います

セットアップの違いが生まれるのはこのような理由かと思います

体重が重くてもローラーの重量がさほど軽くならないのは進入速度がそれなりに似通っていれば軽いライダーとの差は意外にも僅かだったりします

ライディングが似通っていて必要な変速領域に収まっていれば同じ様になるという事です

その後の速度の乗りはやっぱり違いますけどね(笑)

 

 さてさて今回のメインのお話はストロークとタイミングの話です 

前回のお話にプラスしてストロークという部分を理解しましょう

 

前後にあるプーリーとトルクカムの作動領域がストロークです

この作動領域は部品を変更しないと変わりません・現在の駆動構成のままなら同じです

どういう事かというと・・・

 

ザックリというとストロークが50と例えたとします

プーリーの面を100とした場合に、ローよりなら20~60の位置でハイなら30~70の領域になるって事

プーリーの作動量を増やせない場合は全体的な変速領域がズレるという事しか出来ません

1~2の範囲内を特定の作動量で動いているという事です

 

立ち上がりを良くするのにシムワッシャーを足せば低速が強くなるという事を御存知な方は多いと思いますが

ロー側の位置をズラすともれなくハイ側の位置もロー側にズレるんです

 

これがダメという訳でもなくて・・・

問題はここからです

 

ミッション車に例えた場合に

コースの一番速度が乗る位置や一番回転が上がる位置で吹け切らなければ良いんです

要するに3速の領域では吹け切るけど4速なら吹け切らずに進む

 

4速を10という幅に例えて 1~10の幅の中で走れてればOKって事

このコースは最大変速の8までしか使っていないとか

その様なイメージで良いかと思います

速いライダーなら9の位置まで回せたので何キロ出たという事になります

ロー側に振ったとしても上での領域域に影響が無ければOKという事

 

進入速度やコーナリング速度が低いのであればシフトポイントもギア比も違う事が起こるのは当然です

ちなみに練習時に現状では立ち上がらないセットアップで練習をして立ち上がるように努力するのも悪い練習ではありません

 

要するに自分にあったギア比で乗った方が現状は最短でタイムアップが望めるという事ですかねぇ

 

 続いてタイミングのお話 

 

スクーターの変速の中には様々なタイミングが存在します

例えば硬いセンタースプリングを入れると変速する速度が遅くなりミッション車でいうと引っ張って変速する様な感じに

逆に柔らかいと早く変速をします

クラッチスプリングなを硬くすれば繋がるまでの時間が長くなり高い回転で繋がるようになります

逆は早くクラッチが繋がり低い回転でミートします

 

変速領域がハイになればコース上の特定位置で吹け切らずに変速の間が伸びます

ローにし過ぎれば特定の箇所で早めに吹け切っていまいます

 

この動作タイミングでエンジン回転数と変速域に様々な効果が起きるのがスクーターです

 

ハイ寄りの構成で変速を遅らせる(引っ張ってシフトアップ)

ロー寄りの構成で変速を早める(早目でシフトアップ)

 

これが駆動構成が違うのに結果的に似たような結末が起こり得る要因かと思います

しかし効果を少しでも意識してベルト寸法やボス長を考えてからチョイスすれば現状を改善できる可能性はあると思います

 

ウエイトローラー重量は結果的にはそのパッケージの妥協点として導き出されてしまうので

この構成でこのグラムという車体を量産した場合にはベルト寸法の違いからアタリハズレみたいな現象が起こり得ます(笑)

 

4st50スクーターは4馬力にも満たない出力なので、分母の小さな個体差ですから極端な出力差でしたら駆動系を疑ってみた方が良いかなと思います(^_-)

 

 

初心者向けに今回も半ば強引にイメージを湧いてもらう為のお話でした

どうしても生じる矛盾は突っ込まないで下さいね(笑)

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