ScooterRace.jp/アドバンスプロ ZETAリアショック コラボ企画②
サスペンションで遊ぶ!楽しいお話の続きです
今回はスプリングのお話やモノ作りの楽しさをお伝えします
リアサスの要であるバネという部分の重要性をもっと大事に考えよう
アドバンスプロさんから届いた出来立てホヤホヤのジョグ用ZETAサスペンション
前回のお話の中で書いたジョグ用寸法(270mm以下)の部分からまたお話します
このサイズは既にガラパゴス的な規格寸法でダンパー部分もそうですがバネの部分でも同じことが言えます
ダンパー部分まではアドバンスプロさんでなんとかして貰えましたが・・・
アドバンスプロさんの工場で用意出来るバネの選択肢が1つしかなく
現在のレースの市場規模を考えると量産は難しく手軽な価格帯に収まらないのです
ダンパー部分は構造的なセッティング変更で超えられる要素なのですが・・・
バネは試作と開発部分でのコストが量産に見合わないのです
私達が欲しいのは自分にピッタリのサスペンション
体重や操作は人それぞれ違います!
それを1つのバネで受け止める事には限界があり、場合によっては調整範囲の限界を超えて本来の性能が発揮されないのです
必要以上にプリロードを掛けてそれに合わせて減衰を限界点まで掛けて使っているライダーを見たことがありませんか?
自分に合うバネを見つける事が本来の姿であると思います
それくらいにバネはサスペンションの性能に大きく影響します
色々な人に合ったバネを1つのメーカーがバネを揃えられる事の方が難しいんです!
ZETAで自分の見つけたバネで遊び倒せ!
2019年のFP4-50クラスの一部のライダー間の中での話の中で大よその求める使用バネが大まかに分かり始めてき
それに見合うダンパー設定のサスペンションが現在販売されているのか?という話になりました
でもこんな話は昔からあって・・・20年前から日本でも見かけるマロッシ社製のRS24などが良い例で
標準バネが硬すぎて別にスプリングを用意して組み替えるライダーがいっぱい居ました
というよりもNSR50などのレースではみんな色々なバネを試して走るのは普通の事なんです
オーリンズ社製のリアショックに別のサードパーティーのバネを組み合わせる事は日常です
要するに寸法が合うバネを組み込む事で自分に合ったサスペンションに近づくという事です
届いたばかりのZETAを分解してバネを取り出してみました
左にあるのはスプリングコンプレッサーです
分解してバネの寸法を測り同じようなバネを探してみる
このような作業がミニバイクレースでは良くある事だと知って貰えるとコーナリングが更に楽しめると思います
自分の理想を求めればバネは作る事も~バネ屋さんに行ってみよう~
君もやってみようぜ!下町ロケットごっこ!
エキパーライダーだけ楽しんでるなんて勿体無いぜ!
またNSR50より市場の狭いスクーターレースではメーカーがバネを何個も用意出来るわけないです!
無きゃ探そう!作ろう!そして楽しもう!
埼玉県川口市にある㈱井上スプリングさん
私自身が元スプリングメーカー社員でその関連先という事で撮影許可を頂いて
バネを持ち込んでオリジナルのスプリングをオーダーする流れを説明します
※井上スプリングさんでも取り扱い可能ですが本来の生産ラインもあり難しい場合もありますので期待に添えない場合は了承くださいとのこと
全国にあるスプリング製造している会社を検索して問い合わせて持ち込む流れを説明しましょう♪
インターネットで【スプリング】と検索すると様々な会社が出てくると思います
スプリング以外にも【発條】なんてワードもアリです!スプリング屋さんの屋号に多いです
スプリング屋さんによって作れるバネの種類も違うので得意な種類の会社を問い合わせてください
リアショックのバネは太物の押しバネが得意な会社になると思います
なるべく住んでいる地域の近いスプリング屋さんを見つけた方が良いと思います!
スプリングの知識が無くても大丈夫です!
イメージを伝える事で職人さんが親身に答えてくれますよ~
実物を持ち込んで寸法を測りながら単純に硬さだけの話で良いと思います
今回はZETAの標準バネを基に話を進めてみます
ZETAは最大ストロークが約50mmです
50mmの時の荷重を基にレート算出してそこから何%アップさせるか?という基準点を目安にしてみます
これはアナログな押しバネ試験機です、デジタルな試験機もありますが今回はイメージし易いこちらで撮影しました
押しバネは基本的には外観の寸法で大よその数値を計算可能です!
逆に引きバネは同寸法でも強さが密着させる強さで荷重が変わりますねぇ
~元スプリングメーカー社員の私からの押しバネ豆知識~
バネは押していく放物線を描くカーブで荷重変化します
なので重要なのは最大荷重の掛かる使用寸法位置を決めても、その位置に到達させる過程にも変化が起きます
縮め始めにプリロードを掛けて最大荷重を高めた場合と
プリロードを掛けずに最大荷重を高めた場合とでは最初のたわみ部分の差で性能が大きく違います
プリロードを掛けた場合だと入りから硬くなってしまいますが
プリロードを掛けない場合は初期が柔らかく奥で最大荷重になるような性格になります
このような特性によりバネが合っていないという結果が起きます
例で言えば
初期の入りを良くして奥で硬くするには
硬いバネに変えてプリロードを掛けずに初期のたわみを作るという事です
この様なお話をしながら実際のバネ屋さんで自分のイメージに見合うお話を進めるのも楽しいと思います
金額はまちまちです 1本4~5000円くらいになるかと思いますが
出来るだけお友達同士でまとめてオーダーした方が1本単位は安くなりますし
お一人でしたら荷重違いを何本かまとめて作った方がお得だと思います
ZETAは本来の遊び倒せるレーシングサスペンション!
取付全長が5mm単位でオーダー出来て
4st50スクーターレースで想定される幅広く調整出来るダンパー設定(scooterrace jp仕様でオーダー可能)
標準スプリングを基に自分に見合うバネを入れてコーナリングと向き合う本来のサスペンションです
先ずは!付属の標準スプリングから始めてください!
プリロードを掛けていってどれくらい足らないのかを掛けたプリロード分を目安にしてみてください
バネ屋さんに行くのも良いですし、他のサスペンションのバネを流用しても良いと思います!
それだけサスペンションのバネが重要な事が理解出来たでしょう?
サスペンションと同時進行してコーナリングを楽しみましょう!
そして自分に最高のサスペンションをGETしよう!
次回はスプリングが完成したら走行テストのお話に続きます♪
お楽しみに!